物流を外に任せようと調べ始めると、「倉庫」「発送代行」「3PL」と似た言葉が並び、どこに問い合わせればよいか迷うことがあります。この記事は、初めて物流の外注を考えている事業者に向けて、3つの違いと選び方をまとめたものです。
先に結論を書くと、商品を預けることが中心なら倉庫、ネットショップの注文ごとの出荷を任せたいなら発送代行、物流のやり方そのものから任せたいなら3PLに当たるのが近道です。ただ、1社で3つを兼ねている会社も多いので、何をどこまで任せたいかを先に決めてから会社を探すと、外れが少なくなります。
3つの違いは、任せる範囲の広さにある
倉庫・発送代行・3PLは、任せる範囲の広さで呼び分けられています。ドコロジでは、それぞれを次の意味で使っています。
| 倉庫・保管 | 発送代行 | 3PL | |
|---|---|---|---|
| 主に任せること | 商品や資材を預け、入庫・出庫・在庫の管理をしてもらう | 注文が入るたびに、ピッキング・梱包・送り状の発行・発送をしてもらう | 保管・出荷・配送の手配に加え、物流のやり方の設計や見直しまでまとめて任せる |
| 出荷の単位 | パレット・ケース単位のまとまった出荷が多い | 1件ずつ、個人や店舗あての小口の出荷 | 販路に合わせて、小口もまとまった出荷も |
| 料金の主な費目 | 保管料・入庫料・出庫料 | 保管料に加えて、出荷1件ごとの作業料・資材費・運賃 | 作業ごとの料金に加え、管理費や仕組みづくりの費用がかかることも |
| 向いている場面 | 在庫を置く場所が足りない、まとめて出荷している | ネットショップの出荷に手が回らない | 販路や拠点が増えて、物流全体を見直したい |
(呼び方や費目の分け方は会社によって違います。表は、ドコロジで会社を分類するときの目安です)
倉庫・保管は、モノを預かってもらうのが中心
倉庫会社に頼む場合、主な役割は商品や資材を預かり、決められた形で出し入れすることです。料金は、保管料(預ける量と期間で決まる)と、入庫料・出庫料(出し入れの作業)に分かれていることが多いです。
保管料の単位は、パレット・坪・ケースなど会社によって違います。見積もりを比べるときは、同じ単位にそろえてから比べると分かりやすくなります。
倉庫会社の中にも、注文ごとの小口の出荷まで受けるところと、パレット単位の入出庫が中心のところがあります。ネットショップの出荷を任せたい場合は、倉庫会社でも「発送代行」や「EC物流」を案内しているかを確かめておくのがよいでしょう。
発送代行は、注文ごとの出荷作業を任せる形
発送代行は、ネットショップなどで注文が入るたびに、在庫から商品を取り出し、梱包して送る作業を任せる形です。保管もあわせて頼むのが一般的で、EC物流やフルフィルメント(注文から出荷・返品までの一連の作業)と呼ばれることもあります。
費用は、保管料に加えて、出荷1件ごとのピッキング料・梱包料・資材費・運賃がかかります。出荷件数が増えるほど総額が増える形なので、保管料だけで比べると、月の総額を見誤ることがあります。
ショップのシステム(Shopify・楽天市場など)と在庫や注文のデータをつなげられるかも、発送代行を選ぶときの大事な条件になります。
3PLは、物流のやり方ごと任せる形
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)は、荷主に代わって物流をまとめて担う形を指します。保管や出荷の作業に加えて、拠点の置き方、在庫の持ち方、配送会社の選び方など、物流のやり方を決めるところから関わるのが特徴です。
ネットショップ・卸・店舗など販路が複数あり、それぞれ出荷の形が違う会社や、拠点の見直しを考えている会社に向いています。一方で、月の出荷が数十件ほどの段階なら、発送代行のほうが話が早いかもしれません。
国土交通省は、3PLを「荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行すること」と説明しています(国土交通省「3PL事業の総合支援」)。作業を引き受けるだけでなく、やり方の提案から関わる点が、発送代行との大きな違いです。
(ただ、3PLという言葉の使い方は会社によって幅があり、発送代行のサービスを「3PL」と呼んでいる会社もあります。名前より、提案や見直しまで関わってくれるかで見分けるほうが確かです)
複数の業務を兼ねる会社が多い
実際の会社は、3つのうち1つだけを受けているとは限りません。ドコロジに掲載している874社(1970年1月時点)が、公式サイトで案内している業務を数えると次のようになります。
発送代行・EC物流に対応する163社のうち144社は倉庫・保管にも対応していて、3PLに対応する196社のうち181社も同じです。掲載企業の多くは、倉庫・保管を土台にして、出荷作業や仕組みづくりを上に重ねています。会社の呼び名だけで候補から外すと、条件の合う会社を見落とすことがあります。
(業務の分類は、各社の公式サイトの記載をもとにドコロジが付けたものです。掲載企業は業界全体の縮図ではないので、割合は目安としてご覧ください)
出荷の形で、頼む先はおおよそ決まる
迷ったときは、まず出荷の形を思い浮かべてみてください。
個人やお店あてに、注文ごとに1件ずつ出荷しているなら、発送代行(EC物流)を受けている会社から探すのが近道です。預けることが中心で、出荷はケースやパレットのまとまった単位なら、倉庫・保管の会社が合っています。出荷先が企業や店舗なら、企業向け出荷(BtoB物流)を受けているかもあわせて見ておくとよいでしょう。
販路や拠点が複数あって、物流のやり方そのものを見直したい場合は、3PLを受けている会社に相談するのが向いています。
ラベル貼り・検品・セット組みのような作業が多い場合は、流通加工に対応しているかも条件に加えます。冷蔵・冷凍の商品なら、温度帯を最初に確かめると、候補をかなり絞り込めます。
問い合わせるときは、任せたい作業を並べて伝える
問い合わせでは、任せたい作業と数量を並べて伝えると、会社側も対応できるかを判断しやすくなります。
伝えると話が早い情報
- 扱う商品と温度帯(常温・冷蔵・冷凍)
- 月の出荷件数と、出荷先(個人・店舗・企業)
- 預ける量(パレット数・ケース数など)と商品の種類の数
- 任せたい作業(入庫・保管・ピッキング・梱包・流通加工・返品など)
- 使っているショップのシステムや販路
- 始めたい時期
数字がはっきりしなければ、「月に50〜100件くらい」のような幅でもかまいません。(見積もりの精度は下がりますが、受けられる規模かどうかの判断には十分なことが多いです)
最後に
倉庫・発送代行・3PLは、任せる範囲の広さで呼び分けられています。預けるのが中心なら倉庫、注文ごとの出荷なら発送代行、物流のやり方から見直したいなら3PLが目安ですが、実際の会社は複数を兼ねていることが多く、呼び名で探すより、任せたい作業と数量をそろえて問い合わせるほうが話が早く進みます。
ドコロジでは、掲載企業を業務ごとに分けて一覧にしています。各社の対応業務・温度帯・得意な商材を見比べてから、公式サイトで問い合わせられます。
- 発送代行・EC物流に対応する会社(163社)
- 倉庫・保管に対応する会社(845社)
- 3PL・物流アウトソーシングに対応する会社(196社)
- 流通加工・検品・梱包に対応する会社(283社)
どの業務にあたるか決めきれないときは、条件から企業を探すと、エリア・業務・温度帯・商材を順に選んで絞り込めます。
